日本ではインフレは起こらない?

日本銀行は、消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が
安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を
継続するという「オーバーシュート型コミットメント」を導入し、
デフレ脱却を目指しています。

日銀のマイナス金利政策が話題になっていますが、デフレ
脱却という状態には至っていません。

日本では長期間デフレが続いてきましたので、本当にインフレ
が起こるのかという疑問さえ感じてしまいます。

今回は日本がインフレになる可能性について考えたいと
思います。


1.インフレとは?

  インフレ(インフレーション)とは、モノやサービスの値段
  (物価)が上がり、通貨(お金)の価値が下がることを
  いいます。

  例えば、鉛筆が1本100円だったとして、インフレになると、
  その値段が上がります。インフレにより、鉛筆1本の値段が
  200円になったとしたら、どうなるでしょうか。

  今まで100円で買えていたものが、200円になるということは、
  通貨の価値が2分の1になったことになります。

  日銀が目指す前年比2%の物価上昇で考えると、100円で
  買えた鉛筆が、102円に値上がりすることになります。


  

2.インフレが起きる原因

  さて、インフレはなぜ起きるのでしょうか?
 

  1)ディマンド・プル・インフレとは?

  インフレの原因は色々とありますが、インフレの原因の
  ひとつに好景気があります。景気が良くなるとモノが
  よく売れて、需要が増えます。需要が増え、供給を
  上回ると、モノの値段(物価)は上がります。

  例えば、Aという商品が1つあったとします。この商品を
  欲しいという人が1人だったとすると、適正な値段でしか
  売れないでしょう。しかし、欲しい人が増え100人になれば、
  Aという商品の値段は上がっていくことが想像できると
  思います。

  これをディマンド・プル・インフレといいます。需要サイドの
  要因によるインフレで、ディマンド(需要)がプル(引っ張る)
  インフレという意味です。

  2)コスト・プッシュ・インフレとは?

  一方、賃金や原材料が上がることにより、モノを作るための
  費用が上がり、モノの値段が上がることをコスト・プッシュ・
  インフレといいます。供給サイドの要因によるインフレで、
  コスト(費用)がプッシュ(押す)インフレという意味です。

  ディマンド・プル・インフレは、景気が好循環し、給与も上がり
  ますので、良いインフレです。
  
  一方、コスト・プッシュ・インフレは、生産費用だけが上がり、
  賃金は上がりませんので、景気は良くならず、悪いインフレ
  です。



3.日本でもインフレが起こる可能性あり?

  インフレと聞くと、景気が良くなり、需要が増えることにより、
  モノの値段が上がるディマンドプルインフレをイメージする
  方が多いのではないでしょうか。
  
  日本ではインフレが起こるような景気回復は望めないと
  考えている方が多いため、モノの値段が上がるインフレは
  起こることはないという考えを持っている方も多いと思い
  ます。

  しかし、日本の景気が良くならなくてもインフレが起こる
  可能性があります。それが、コストプッシュインフレです。

  既に日本の総人口は2008年をピークに減り始めています。
  今後も高齢者の増加と出生数の減少傾向は変わらない
  見込みで、人口の減少は続くとみられています。

  更に国の借金は1,000円兆円を超えています。このまま政治
  の無策が続けば、日本の国力は下がり、日本円の信任が
  下がります。そうなると、ドルなどの他国の通貨にくらべて
  円の価値が下がり、円安になる可能性があります。

  円安になると食料品、原油など多くの製品を輸入に頼って
  いる日本は、色々なモノの値段が上がる可能性があります。
  日本は円安になり過ぎるとインフレが起こることになります。

  つまり、円安になり、輸入する原料が高くなるので、販売する
  商品が高くなる。コストプッシュインフレが起きるわけです。
  これを輸入インフレーションともいいます。

  日本人はデフレに慣れすぎましたが、インフレが起こる
  可能性はゼロではありません。



まとめ

日本では今後、景気が良くなる可能性は低いからインフレは
起こらないのではないかと考えている方もいますが、上記の
ような円安を原因としたインフレが起こる可能性もあります。

インフレに対処する方法の1つにインフレ時に価値が上がる
もので資産運用しておく方法があります。例えば、外貨への
投資もその1つです。ドルに投資しておけば、円安になった
時にはドルの価値が上がるわけですから、インフレに対処
できます。

仮に、物価が1年間で10倍になるようなハイパーインフレが
起きた場合、日本円の価値は、10分の1になります。
1,000万円の貯金が、100万円の価値になってしまいます。

常々思うことですが、日本人は、円を信頼し過ぎではない
でしょうか。確かに、投資をすると一時的に資産が減ることも
ありますが、長い目でみると、自分の資産の防衛になると
思います。

投資を始めると資産が減るリスクも発生します。しかし、
何もしないことにもリスクがあることを考えるべきでは
ないでしょうか。

何もしないリスクとは、日本円をそのまま持ち続けること
です。

日本円を銀行やゆうちょ銀行に預けていれば、目減りすること
なく、安心と思われるかもしれませんが、インフレが起きれば、
実質的に資産は目減りすることになります。

30年間インフレ率2%が続いた場合、1,000万円の価値は
552万円になってしまいます。口座に入っている1,000万円
という金額は引き出さない限り目減りすることはないとしても、
実質的な価値は552万円に下がっていることになります。

そのようなリスクを日本人も意識すべきではないでしょうか。

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